一般市民向け心肺蘇生ボランティア講習会

 我々AHA松戸ECCトレーニングサイトは日頃、主として看護師を対象に各種AHAコースを開催し、ナースの蘇生手技の向上に努めています。もちろん、看護師の蘇生関連における知識・技術が向上すれば緊急事態における入院患者さんへの安全確保が可能となり、患者さんまたはそのご家族に対して安心した入院生活を提供することができる一つの重要な要素となるはずです。
 
 しかし、心肺停止は何も病院内のみで発生するものではなく、日常生活を送る中でも常に発生する可能性がある緊急事態です。日本には医師や看護師をはじめとする医療系国家資格を有する方はたくさんいらっしゃいます。ただ、絶対数を比べれば何も資格を持たない一般市民の方が圧倒的に多いはずです。地域内の日常生活の中で発生した心肺停止に対しては、当然ではありますが、一番最初に対応が迫られるのは一般市民の方です。
 
 つまり何が言いたいか・・・。それは医療従事者だけが蘇生法を習得しても地域の蘇生率の向上には限界があるということです。
 
 一般市民の方にも完ぺきではないにしろ心肺蘇生手技を身につけていただきたい。それが私たちの願いでもあります。それには自分たちで一般市民の方に直接指導できる機会を作らなければならない。そういう意志もあり、前回松戸市立病院付属看護専門学校文化祭にて初の一般市民向け心肺蘇生ボランティア講習会の開催に至りました。
 
 現在の日本では赤十字社や地域の消防署が開催する一般市民向け心肺蘇生講習会が多数存在しています。また一般社会にも蘇生処置に対する関心が高まりつつあり、街中や公共施設においてAED(自動体外式除細動器)が設置されることが急速に増えました。こういった教育体制や蘇生処置が誰でも行える環境が整備されるということはもはや一般市民の方にも緊急事態が発生した場合はその対応が求められていることを意味しています。善意で救助した結果、状態が悪化したとしても訴えられることはほぼありませんが、状態悪化を恐れてまったく救助をしなかったケースにおいては逆に訴えられてしまう。日本はそういった国になりました。
 
 AHA松戸ECCトレーニングサイトでは千葉県松戸市を中心にして、誰でも緊急事態に遭遇した際には手を差し伸べることができる地域社会づくりに貢献していきたいと考えています。看護学校をはじめとする医療系養成所の文化祭などで心肺蘇生に関するイベントを考慮されている方がいらっしゃいましたら、ぜひご相談ください。