認定看護師がAHAインストラクターを目指す意義

 現在の看護界では日本看護協会が認定する様々な認定看護師が存在しますが、特に救急看護認定看護師や集中ケア認定看護師、小児救急看護認定看護師の方々がAHAインストラクターを目指す意義について記載してみようと思います。
 上記の3つの認定看護師は特に蘇生教育の充実化を求められる立場にあり、実際に院内教育の一環として新人看護師などを中心に一次救命処置を指導している方も多いと思います。しかし、指導する内容はともかくとして指導方法までしっかりと教育学的エビデンスに沿って行えている方はどれほどいるでしょうか? 指導を受けた看護師が効果的なCPRの練習を行い、その手技を長期間記憶・維持できるような学習会の内容が確立できているかというと意外にそうでもないことが多いかもしれません。
 
 AHAコースは受講料金も割高に設定され、世間的にはあまり良いイメージをもたれないことが多いのですが、実は非常に充実した内容に仕上がっています。特に一番魅力的なところは、ただ単に「この方法で行えば蘇生率が上がる。社会復帰率が上がる。」といった蘇生学的なエビデンスだけではなく、「受講生が一度習得した手技を長期間維持できるように」という教育学的なエビデンスも十分に含んだ内容となっている部分です。つまり、いくら内容の濃い指導を行っても受講生が翌日から習得した知識や技術をどんどん失ってしまったら意味がないというのがAHAの考え方です。「受講生側の記憶」の部分まで意識し、エビデンスに沿って設計されたコースはおそらく日本ではAHAコースしかないと思います。
 
 皆さんは以下のような蘇生指導をしていませんか?
①受講生が数十人いるのに、マネキンが1~2個しか準備できていない。
②インストラクターが無駄なデモンストレーションを何度も繰り返す。
③過去の経験談を永遠に語り続ける。
④せっかくマネキンを準備しても、マネキンを使用する機会がほとんどなく、一方的な講義になっている。
 
 AHAインストラクターになるにはプロバイダーコースを受講した後に成人教育技法に関する専門コースを受講し、各種AHAインストラクターコースを受講することが義務付けられています。そこでは成人学習者に対する学習の支援方法、学習環境の事前準備、様々な教材の効果的な使用方法、そしてCPRを指導するうえで必要となる教育学的エビデンスについて学ぶことになります。そのような知識があるのとないのとでは、認定看護師としての教育的立場に大きな差が生まれてきます。せっかく教育的立場としての役割を果たすのであれば、学習効果の高い勉強会やコースを開催するべきですし、病院側もそれを望んでいるはずです。
 
 幸いにもAHA松戸ECCトレーニングサイトや宮城こども救急トレーニングサイトで中心的立場で活躍する看護師にも現在3名の小児救急看護認定看護師がいます。彼(彼女)らは単にAHAインストラクターとしてAHAコースの院内独立開催という役割を果たしているだけでなく、蘇生以外の院内教育の場において成人学習者に効果的な学びを提供する知識・技術を習得しており、実際に認定看護師主催の院内学習会においてその能力を発揮しています。
 
 ただ単に自身の蘇生に関する知識・技術を習得するためだけではなく、成人学習者への効果的な教育技法を身につける意味でも認定看護師がAHAインストラクターを目指す意義は十分にあります。ぜひとも、認定看護師の方々の積極的なAHAインストラクターとしての活動を応援しています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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